日本生殖医学会が不妊治療再開の声明を発表
令和2年5月18日
会員各位
一般社団法人 日本生殖医学会 理事長 市川 智彦 (公印略) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの通知 (2020 年 5 月 18 日版)
※本通知は現時点の情報をもとに策定されたものであり、今後の状況の変化に応じて必要とされる対応策に変更がある ことにご留意ください。※
新型コロナウイルス(COVID-19)感染者が急増する中、日本生殖医学会では令和 2 年 4 月 1 日付けで、本会 会員に向けて「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの声明(2020 年 4 月 1 日 版)」を発出いたしました。 その後、国内では新型インフルエンザ等対策特別措置法第 32 条第1項の規定に基づき、4 月 7 日に緊急事 態宣言が発出されました。期間は 5 月 6 日までの 1 ヶ月間とされ、緊急事態措置を実施すべき区域は当初の 7 都府県から、4 月 16 日には全都道府県に拡大されました。5 月 4 日に緊急事態宣言の期間が 5 月 31 日まで延 長されましたが、5 月 14 日付けで特定警戒都道府県の 5 県を含む 39 の県で緊急事態宣言が解除されました。 8 つの「特定警戒都道府県」では緊急事態宣言が継続し外出自粛などの対応が要請されていますが、解除され た 39 の県においても、感染拡大の防止と、社会経済活動の維持の両立に配慮した段階的な取り組みが求めら れています。
これを受け、本会は会員に対して以下のように提言します。 1)不妊治療(人工授精、体外受精・胚移植、生殖外科手術などの治療)の延期を選択肢として受け入れた患 者さんに対して、COVID-19 感染防御と感染拡大防止の対策を可能な限り施行した上で、以下の点に配慮し不 妊治療の再開を考慮してください。 2)感染の動向が都道府県や地域によって異なること、患者さんごとに背景や感染した場合のリスクが異なる 可能性があることなどから、不妊治療の種類と実施の可否についての選択は患者さんへの十分な説明と同意 のもとに医師と患者さんでよく相談して実施してください。 3)COVID-19 感染に対する医療供給体制などの社会状況にも配慮しながら、それぞれの状況に応じた適切 な医療を実施してください。
WHO が宣言した COVID-19 パンデミックがいつまで継続するかは不明です。少なくとも当面は COVID-19 の 感染防御と感染拡大の防止に十分配慮した行動が求められます。過去のパンデミックの経験から、感染の再拡 大と収束を繰り返すことが想定されており、不妊治療の実施・延期も状況に応じて選択する必要があります。 日本生殖医学会では、今後もCOVID‐19の動向と不妊治療について、幅広く情報を集めて会員に周知する予 定です。