新型コロナウィルス感染症に関する当院の見解と方針
新型コロナウィルス感染症に関する当院の方針(4月6日現在)
日本生殖医学会の発表をふまえて
当院において現時点では最大限、院内感染予防に努めて、これまで通りに不妊治療を続けます。
患者様の思いに寄り添って不妊治療をいたします。
2020年4月1日に日本生殖医学会から新型コロナウィルス感染症に関する声明が発表され
マスコミにて報道がありました。通院中の患者様におかれましては色々不安な思いでおられると存じます。
その発表によりますと、現時点では新型コロナウィルスの妊娠や胎児への影響は不明で、特に感染リスクが高いと言えないが、妊娠初期の胎児に及ぼすリスクや妊娠中の感染の重症化の可能性、妊娠に禁忌の薬剤が使用される可能性など、妊娠成立後の感染への対応に苦慮することが予想されるとされています。その上で国内での新型コロナウィルス感染症の急速な拡大の危険性がなくなるまで、あるいは妊娠時に使用できる予防薬や治療薬が開発されるまでを目安として、不妊治療の延期の選択を患者さんに提示するようにとされています。
当院の見解と方針
私たちは学会の発表を尊重します。
しかし、現在新型コロナウィルス感染はいつ収束するかわからなく数年は持続するかもしれないとういう状況です。100年前のスペインかぜ(インフルエンザ)は収束するのに3年かかり、何度の波が押し寄せ、最初より2度めの波の方が強毒化し、被害が増大しています。
一方不妊治療は長期的に行うものではありません。またその人に合った不妊治療時期があります。更に日本の不妊患者様は40歳代前後が多く、時間的余裕がない状況で、不妊治療ができないのは酷だと思います。
不妊治療をしていない一般の方が自然妊娠をされた場合にも学会が指摘するような懸念はおこりますが、これに対して学会等から自然妊娠をさけるようには何も言及されていません。妊娠してリスクがあって、不妊治療を中止するなら、一般の人も妊娠しないように避妊を勧めるべきです。高齢で切羽詰まっている不妊患者様は妊娠できなく、一般の方は妊娠できるのはおかしいと思います。
また4月1日に厚生労働省による発表では感染が妊娠に与える影響として胎児のウィルス感染症例が海外で報告されていますが、胎児の異常や死産、流産を起こしやすいという報告はありません。したがって、妊娠中でも過度な心配はいりませんとしています。
日本産科婦人科感染症学会が発表した新型コロナウィルス感染症について 妊娠中ならびに妊娠を希望される方への中には妊娠を延期すべきであるという記述は一切ありません。
不妊患者様の状況は年齢、仕事、人生設計、地域の感染状況などで個別で大きく異なります。
以上のことより、当院では、最大限、院内感染に気をつけて患者様の思いに寄り添って、不妊治療を希望される患者様にはこれまで通りに不妊治療を続けていきます。ただし、今後の新型コロナウィルス感染症の状況によっては、治療の中止、延期をさせていただく場合もあります。あらかじめご了承ください。
通院中の患者様には、受診時のマスクの着用、手指消毒の徹底、疑わしい症状(37.5度以上の発熱、倦怠感、咳、息苦しさ、嗅覚異常等)がある場合の受診の自粛等、感染拡大予防にご協力をお願い申し上げます。
当院では今後も新型コロナウィルス感染症の院内感染の予防と情報収集を行い、患者様が安心して通院できる環境の維持に可能な限り努めて参ります。皆様のご理解、ご協力をどうかよろしくお願い申し上げます。最後に皆様のご健康と新型コロナウィルス感染症の早期の収束を祈っています。
当院の具体的な対応
1.現状では患者様の希望があれば今まで通り不妊治療を行います。
2.標準予防策等に順じて最大限、院内感染予防に努めます。
患者様のご協力をお願いいたします。
- 職員はマスクを着用し手洗いを頻回に行います。
- 職員は毎日来院時、検温して体調管理をします。
- 患者様には発熱、倦怠感、咳、味覚異常、嗅覚異常など体調不良がある場合は来院をお控えしお電話にてご連絡ください。
- 患者様には外来受診時に体調不良時は外来受付に届け出てください。
- 患者様には外来受診時には、マスクの着用(マスク不足のおり自宅からマスクをお持ちください)、手指の消毒をお願い致します。
- 原則として採精室の使用を一時停止します。自宅採精をお願いいたします。
- 内診時のバスタオルの使用を中止します。なるべくスカートでご来院ください。
- 内診台、採卵台は使用後毎回消毒します。
- 待合室等の換気を定期的に行います。
- ドアのノブなどを定期的に消毒します。
3.今後の新型コロナウィルス感染症の状況によっては、治療の延期、中止をさせていただく場合もあります。ホームページにてご連絡いたします。あらかじめご了承ください。
ART女性クリニック
院長 小山伸夫